赤身本来の美味しさ!

熟成牛(ドライエイジングビーフ)ができるまで

熟成牛(ドライエイジングビーフ)の作り方

食肉は時間を置くと肉が柔らかくなり、内部のタンパク質が分解されてアミノ酸が増加します。この過程を熟成といい、適度に熟成された食肉は独特の旨味を持ちます。肉の牛善では、赤身の多いロース肉を使って、以下の方法で熟成牛(ドライエイジングビーフ)を作っています。

まず下処理をし、必要な大きさに切り出したお肉を「骨付き」のままで熟成します。次にこの肉をミートラッパーで丁寧に包み、厳密に温度管理された場所にて30日〜40日間置きます。(熟成温度、期間は肉に種類や大きさ、目的などによって変わります)

ミートラッパーにくるむ

この間の温度管理は重要で、貯蔵温度が−2〜3℃より低くなると、エイジングに必要な酵素が働かなくなってしまい、逆に貯蔵温度を上げると、酵素反応は活発になりますが、微生物による腐敗がすすみ、肉の風味に影響をおよぼすと同時に、病原体の増殖も促進されます。熟成牛は、厳密な温度管理・衛生管理を行う施設だからこそできる製品なのです。

食品衛生推薦施設

文献によるとドライエージングに適した貯蔵温度は0〜4℃と言われ、また相対湿度つまり「ある温度の空気中に含みうる最大限の水分量」に対する「空気中の水分量」の割合は、80%前後でエージングされているといいます。肉の牛善では、空調に気を配り、肉の腐敗を避けるのはもちろん、安全で歩留まりのよい熟成肉を作るよう心がけています。

熟成牛用棚

期間が過ぎてミートラッパーから肉を出してみると、熟成された牛肉(ドライエイジングビーフ)が顔をのぞかせます。

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脱骨などの加工処理を施します。ただし熟成牛では、通常より慎重に行う必要があります。

熟成肉の脱骨作業

熟成ロースステーキ肉の出来上がり!牛骨から出る旨味もたっぷり含まれています。

熟成牛ステーキ肉

サシの入ったお肉では柔らかさは脂肪分なのですが、熟成牛は赤身自体が柔らかく、和牛の風味、旨味はより濃厚です。また脂部分はしつこさがなく、あっさりしています。サンプルもご用意しておりますので、ドライエイジングされた黒毛和牛ステーキをぜひお試しください。

※ 参考文献 米国のドライエイジングビーフ関連ガイド集